ChatGPTを利用する方は急速に増えていますが、「無料で使えるの?」「有料版は本当に必要なの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、ChatGPTの料金プランを徹底的に比較し、無料版と有料版の違い、さらにはお得に使う方法まで詳しく解説します。
ChatGPTの基本料金体系
ChatGPTには、無料版と有料版が用意されており、ユーザーのニーズに合わせて選択することができます。
無料版のChatGPTでは、基本的な対話機能を利用することが可能です。テキストベースの質問に対して、AIが回答を生成してくれます。ただし、最新版のモデル※1へのアクセスや一部の機能に制限があるため、用途によっては不自由を感じることがあるかもしれません。
一方、有料版ではより高度な機能や最新のモデルを利用できます。現在、Plus、Team、Enterpriseの3つのプランが提供されており、それぞれ利用想定や機能に違いがあります。
※1 ChatGPTにおける「モデル」とは、大量のテキストデータから学習した人工知能システムのことです。言語パターンや知識を理解し、人間のような自然な会話や文章生成を可能にする基盤となっています。
無料版(Free)と有料版(Plus、Team、Enterprise)の比較
以下は、ChatGPTの各プラン(無料版、ChatGPT Plus、ChatGPT Team、ChatGPT Enterprise)の主な料金と機能の比較表です。具体的な料金や機能は時折更新されることがあるため、最新の情報は公式サイトで確認するのが最も確実です。以下の表は2024年11月の情報です。
ChatGPTのモデルの差は?特徴と料金比較
各プランには利用可能モデルに違いがあることがわかります。それぞれの違いを比べてみましょう。
GPT-4
GPT-4は、2023年12月頃までのデータを学習したモデルです。以前のモデルであるGPT-3.5よりも複雑な質問や指示に対しても的確に応答する能力を持っています。Plus以上のプランで利用可能です。
GPT-4o
GPT-4oは、GPT-4の基本的な機能を強化し、パフォーマンスを向上させたモデルです。2023年10月頃までのデータを学習しています。無料版でも回数制限付きで利用可能で、上限に達すると次に紹介するGPT-4o miniにモデルが切り替わります。
GPT-4o mini
GPT-4o miniは、GPT-4oよりも性能や精度は若干抑えられていますが、軽量であるにもかかわらず十分な応答性能を保つように設計されており、処理速度と効率性を重視したモデルです。
OpenAI o1-previewとOpenAI o1-mini
OpenAI o1-previewとOpenAI o1-miniは2024年9月に発表されたばかりのモデルです。科学、コーディング、数学などの複雑な問題に取り組むために開発されており、複雑な問題に対してこれまでのモデルよりも時間をかけて考えてから回答をするよう設計されています。
Plus(有料版)の主な機能
有料プランの機能について詳しく見ていきましょう。まずはPlusから。
ChatGPT Plusは、OpenAIが提供する有料サブスクリプションサービスで、月額20ドル(約2,900円)で利用できます。
1.GPT-4oが無制限で利用可能に
Plusの主な特徴として、無料版では利用に制限がかかるGPT-4oが無制限で利用できるようになります。ほかにも、GPT-4o mini、GPT-4へのモデル切り替えやOpenAI o1-previewとOpenAI o1-miniへのアクセスも可能です。
2.ストレスなく利用できる
また、安定したサービス提供もChatGPTを日常的に使っていくうえでは外せない要素です。無料版では混雑時にアクセスできないことがありますが、Plus会員は優先的に利用することができます。応答速度についても、Plus会員はより優先的にリソースが割り当てられるため、ChatGPTからの回答を待つ時間が短縮されます。
3.新機能を早めに使える場合も
ChatGPTに新たな機能が追加されたり、既存の機能が改善された場合に、Plus会員はその機能を無料会員よりも早くから利用できることもあります。
Team(チーム向け有料版)の月額料金と主な機能
ChatGPT Teamは、複数のユーザーが協力して作業を行う組織向けに設計された有料プランです。月額料金は1ユーザーあたり30ドルで、最低5ユーザーからの契約となります。つまり、組織全体で最低150ドルの月額費用が必要となります。(年払の場合はひと月あたり125ドル)ChatGPT Teamの機能としては、Plusで追加された機能に加え、以下のチーム利用向けの機能が追加されます。
1.チームコラボレーション機能
共有スペース: チームメンバーと共有できるチャットスペースが提供され、共同作業や情報の共有が容易になります。
チームアカウント: 複数のユーザーが同じアカウントで利用でき、チーム全体での利用が効率的に行えます。
2.ユーザー管理とアクセス制御
管理機能: チームリーダーや管理者がメンバーの管理や設定を行うためのツールが提供されます。これにより、アクセス権の設定やユーザーの追加・削除が容易になります。
役割設定: 各メンバーに対して異なる役割や権限を設定することができ、チーム内での管理がしやすくなります。
3.セキュリティ
データ保護: 無料版、Plusでは入力されたデータをOpenAIが学習に使用する可能性があり、機密情報が意図せず学習データに含まれてしまうリスクがあります。Teamでは入力データは学習に利用されません。詳しくはこちら。
Team向けプランは、複数のメンバーが協力してプロジェクトを進める必要がある場合や、AIの活用を組織全体で推進したい場合に適しています。個人での利用よりも、組織的な活用を想定しているため、セキュリティやコンプライアンスにも配慮された設計となっているため、企業利用や一部の部署での導入にも向いているでしょう。
Enterprise(企業向け有料版)の月額料金と主な機能
ChatGPT Enterpriseは、大規模な組織や企業向けに設計された最上位のプランです。月額料金は公開されておらず、利用規模や要件に応じてカスタマイズして利用することが可能です。一般的に、年間契約ベースで数万ドルから始まると言われています。
他のプランよりも高度なサポートが優先的に付き、チーム管理機能も高度になるとされているため、ChatGPTの本格的な導入を検討している企業向けのプランといえるでしょう。
ChatGPTの料金を抑えながら快適に使う方法と注意点
ChatGPTは非常に便利なツールですが、円安の昨今では、料金面で悩む方も多いでしょう。しかし、用途によっては、ツールの選び方次第でコストを抑えながら効果的に活用することができます。
ChatGPT 無料版も用途によっては使える
ChatGPTの無料版は、多くのユーザーにとって十分な機能を提供しています。特に、日常的な質問や簡単な文章作成、アイデアの発想などには適しています。無料版の利点は、登録が簡単で即座に利用できること、そして基本的な対話機能を無制限に使用できることです。
ただし、無料版では最新のGPT-4oモデルの利用には制限がかかり、応答速度も有料版に比べてやや遅くなります。また、利用が集中する時間帯にはアクセスしづらくなることもあります。そのほかにも有料版でのみ提供されている機能もあります。
無料版が特に有用なシーンとしては、ブレインストーミングやアイデア出し、簡単な文章校正、基本的な情報収集などが挙げられます。また、プログラミングの初歩的な質問や、日常生活での疑問解決にも活用できます。
ビジネスでの本格的な利用や、より高度な機能が必要な場合は有料版の検討が必要ですが、個人利用や学習目的であれば、無料版でも十分に利用可能です。
EdgeブラウザのCopilot を使う
Copilotは、マイクロソフトが提供する無料のAI搭載チャットボットサービスです。主にMicrosoftの標準ブラウザである Edgeから無料で利用することができ、OpenAIのGPT-4技術を基盤としているため、ChatGPTと同様にAIとの対話が可能で、情報検索、質問応答、文章作成支援などの機能を備えています。
利用方法は簡単。MicrosoftアカウントでログインしたMicrosoft Edgeブラウザの右上にあるCopilotアイコンをクリックすると、ChatGPTと同じようなチャットウィンドウが開きます。あとはChatGPTと同じように質問や命令を打ち込むだけです。
ChatGPTの無料版では出来ない画像生成が可能など、Copilotならではの利点もありますが、1日あたりの会話回数制限、長文の生成や複雑なタスクの実行に制限が発生することがある、プログラミング支援機能が限定的など、専門的な用途や高度な機能が必要な場合には物足りないかもしれません。
ChatGPT 無料版やCopilotを使う上での注意点
ChatGPTやCopilotなどの生成AIを企業で利用する際の機密情報流出リスクについて、以下のポイントを考慮する必要があります。
誤った情報の生成
生成AIの回答は必ずしも正しいとは限りません。生成AIは時として事実に基づかない情報を本物らしく生成してしまうことがあり、「ハルシネーション」と呼ばれています。そのため、生成された文章を利用する際には人間が必ずチェックする必要があります。
セキュリティ
これらのAIサービスは入力されたデータを学習に使用する可能性があり、機密情報が意図せず学習データに含まれてしまうリスクがあります。入力されたデータがサーバー上に一定期間保存される可能性があり、サービス提供企業の従業員や外部の攻撃者が、保存されたデータにアクセスするリスクがあります。
これらのリスクを軽減するために、企業は
・機密情報を入力しない明確なガイドラインを設ける
・AIツールの使用を制限された環境に限定する
・生成された文章はファクトチェックを行う
・社内用にカスタマイズされた、よりセキュアなAIソリューションの導入を検討する
などの対策を講じる必要があります。
企業向けChatGPTサービスの利用でお得になることも
企業がChatGPTを導入する際に、OpenAIが提供するプランのコストや要件が合わなかったり、導入プロセスが煩雑だと感じることもあるでしょう。
そんなときには、ChatGPTを利用して開発された企業向けChatGPTサービスも選択肢のひとつです。これらのサービスは企業向けのセキュリティ対策、社内文書読み込み機能、グループ利用のための管理機能など企業でChatGPTを利用する際に便利な機能が搭載されています。
コスト面はサービスによってさまざまですが、OpenAIが提供するプランよりも安く提供されているサービスもあります。さらに、多くのサービスはサブスクリプション形式で、OpenAIが提供するChatGPTと同じようにソフトのインストールなしにブラウザで利用できるサービスがほとんどです。
HEROZ ASKならかんたん、低コストでChatGPTの最新モデルが利用可能
企業向けChatGPTサービスのひとつである「HEROZ ASK」は、OpenAIが提供するPlusプランよりも低額な月額900円から※最新のChatGPTモデルの利用が可能です。
企業全体でのご利用はもちろん、部署ごと、チームごとのご利用も可能です。
「HEROZ ASK」は無料でデモを実施しています。詳しい資料のダウンロードはこちらから。
※20ID以上の1ユーザあたりの利用価格。19ID以下の利用であれば、月額1980円/ユーザです。
この記事の情報は2024年11月19日時点のものです。